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西田 明美
建築物の耐衝撃設計に関するワークショップ2010資料集, p.87 - 96, 2010/03
構造物の衝撃現象を把握するための数値解析法の開発や研究が各機関で盛んに行われている。近年の計算機のめざましい発展に加えて、最近の計算工学,破壊力学等の発展により、複雑な衝撃現象の時刻歴応答解析が可能となってきている。しかしながら、構成材料の速度効果,RC構造物の一次応答(局部又は応力波応答),二次応答(弾塑性応答),数値解法上の大変形問題,接触問題等、幾つかの解明すべき課題が残されている。本稿では、文献調査をもとに、衝撃に関する数値解析の現状と特徴についてまとめる。これにより、原子力施設の設計時の耐衝撃性検証のためのガイドライン作成の一助とする。
崎野 良比呂*; 西田 明美
建築物の耐衝撃設計に関するワークショップ2010資料集, p.143 - 152, 2010/03
原子力施設の設計においては、発生確率が極めて小さい事象に対しても施設の安全性に関する検証が行われている。これらの発生確率が極めて小さい事象の中には、飛来物の衝突に伴う衝撃荷重による事象が含まれている。ここでは、屋根トラスのような鉄骨部材の耐衝撃性の検討に必要となる事項を整理し、耐衝撃設計のガイドライン作成の一助とする。鉄骨部材の耐衝撃に関する検討はRC部材に比べ非常に少ないが、最大でも毎秒数十%程度と言われている地震時のひずみ速度に対する耐衝撃性に関しては、阪神大震災後幾つかの検討がなされている。また、材料レベルではひずみ速度が材料特性に及ぼす影響に関して多くの研究がなされてきている。本稿では、まず衝撃荷重に対する鉄骨部材の限界状態について、破壊モードの分類を提示し、要求性能の指標の一つとして衝撃速度による指標の考え方について記す。次に材料のひずみ速度依存性と部材レベルでの高速載荷実験に関する事例を紹介する。最後に、衝撃荷重に対する鋼構造物の設計例として、原子力発電施設における鋼構造物の貫入・貫通に対する評価式を示す。